これまでの経緯はこちら↓
最初の検査入院
B大学病院を受診して早々、検査入院するよう医師から指示を受けました。
付添入院について医師や看護師から「あってもなくてもいい」というグレーな回答でした。
人見知りと場所見知りが激しい息子がコロナ禍の面会制限を耐えられるとは到底思えなかったので、私が付き添い入院をすることになりました。
当初の予定では1週間程度でしたが、後述の出来事により、12日間入院することになりました。
入院中に予定していた検査は、注腸造影検査と直腸粘膜生検でした。
注腸造影検査の結果、直腸粘膜生検が延期
注腸造影検査をしたところ、胃を圧迫するほど便が溜まっていました。造影剤を注入しても溜まった便がくっきり写る状態にとどまり、直腸の形を確認できませんでした。
そのため、全身麻酔下で摘便の処置と数カ月間の洗腸でお腹の中に溜まっている便を減らすことになりました。
今回の入院では検査結果が出せず、結論は数か月後の直腸粘膜生検まで持ち越しに。
息子のぽっこりお腹は摘便前と比較してかなり凹みました。便が溜まったことによるものであったことを思い知らされました。
また、この時点で体重は成長曲線の下限を突破してしまいました。
洗腸の手技の修行の日々
数か月後の再検査まで毎日1日2回洗腸をすることになりました。それに伴い、退院の条件が洗腸の手技の習得に設定されました。
洗腸は「ワセリンを塗ったカテーテルを肛門から挿入し、体内に溜まった便を生理食塩水で崩しながらシリンジで体外へ吸い出す」ことをします。言葉も通じない乳児がその間おとなしくできるはずもなく大暴れすることは必至。
医療従事経験もないど素人にはハードル高すぎて…ワンオペでは無理…
というわけで、夫を召喚して2人一緒に医師の指導を受けました。
1週間かけて手技を習得し、1か月分のカテーテルとシリンジを持たされて退院しました。
ちなみに、このカテーテルとシリンジは毎回使い捨てで使い切ったら自分で発注します。費用は自己負担です。
日常的に洗腸による排便ケアが必要な状態になったことから、医療的ケア児の定義に該当することになりました。
しかし、これは一時的なものであることから、手当や助成金などの行政の支援はありません。
経済的にも精神的にも堪える日々でした。
退院後の洗腸の日々
入院中に夫が病院から支給されない洗腸用の資材を買い集めておいてくれました。
入院中の洗腸の準備や片付けは看護師さんがしてくださっていましたが、退院後は自分自身でやらなければなりません。
洗腸の準備と片付け含めて1時間程洗腸の処置に時間を取られていました。1日2回しなければならないので、合計2時間潰れる状態でした。
さらに時々洗腸中に便が暴発することもあり、その都度、掃除や汚れ物の洗濯に追われる日々でした。
食事制限はありませんでしたが、食べたものが洗腸のしやすさに影響するため、カテーテルやシリンジに詰まりやすい食材は刻んだり代替のものにしていました。
原材料表示を確認して詰まりやすい食材が少ないベビーフードを選んでいました。
夫婦片方でも寝込んでしまうと息子の洗腸をできなくなってしまうため、特に新型コロナに罹患しないよう緊張感を持っていました。
日々の生活の中心が息子の洗腸でした。
2回目の注腸造影検査
退院から2ヶ月半、2回目の注腸造影検査を受けました。
退院以来、注腸造影検査が再々検査とならないことを祈りながら1日2回の洗腸を毎日続けていました。
検査後、造影剤を入れた状態の直腸の形と蠕動運動の様子を見せてもらいました。上方結腸と横行結腸の動きに対して、下方結腸以降の動きがかなり鈍いように見えました。
医師は「これよりもしっかり動いていても直腸粘膜生検でヒルシュスプルング病が陽性こともあれば、この動きの鈍さでも陰性のこともあるので注腸造影検査の結果だけで一喜一憂しないでください。」と言いました。
加えて、「少なくとも洗腸の効果は出ているので、ストーマ(人工肛門)を建てる必要はないでしょう。」と言われ、ストーマ(人工肛門)をつけることも考えなくてはいけない状態であったことに衝撃を受けました。
2回目の検査入院
全身麻酔下で行う直腸粘膜生検のため、4日間の日程で検査入院をしました。
前回の検査入院の経験を踏まえて入院時の持ち物を用意しました。前回の入院は真冬の時期でしたが、今回は季節が春から夏に変わる服装選びが難しい時期だったので、息子の着替えは長袖と半袖の両方持ち込みました。
検査をしたら、別の問題が明らかに
直腸粘膜生検の結果でヒルシュスプルング病であるかはっきりします。
検査結果が分かるまで1週間~10日程度かかるということだったので、入院中には検査結果は分かりませんでした。
しかし、検査終了時点で、息子の肛門が年齢にしては小さすぎであるため、手術が必要であることが伝えられました。
この時点で、「肛門狭窄」であることが確定しました。
今にして思えば、全身麻酔下での摘便をした時点で分からなかったのかと聞いてみたかったのですが、息子の状態のことで頭がいっぱいでそのようなことを考える余裕もありませんでした。
「肛門狭窄だけ」か「肛門狭窄とヒルシュスプルング病」なのかで次の入院期間が変わるので、検査結果が出るまでの間、気が気でない状態でした。
検査結果は陰性
再検査入院後の初回の外来で検査結果を聞きました。結果はヒルシュスプルング病は陰性でした。
肛門狭窄の手術が必要であることには変わりがないため、その時点で最速でできる日程で手術日を決定しました。
もう少し時期が遅かったらデルタ株の感染爆発の時期にぶつかるところでした。我ながらナイス判断。
この後も、まだまだ洗腸の日々が続きます。
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